白い鼓動灰色の微熱
「なあ、あれ、誰?」
 
ギターの、小柄で華奢な仁がストラップを肩から外しながら言った。
 
目は、ドアについた小窓の方へ向いている。
 
みんな一斉に、そっちを見た。
 
体系は違うが、みんな結構整った顔立ちをしている。
 
その四人が一斉に、小窓の外から覗きこんでいる人物を見た。
 
ちょっと人格に難ありって感じはするが、整ってなくもない顔。
 
その顔はスタジオの小さな箱の中に彩人の顔を見つけると、身を引いた。
 
変わりに、ガタイがよく長身の人物が小窓を覗き込んだ。

「あれ、彩人のほう、見てないか」
 
誰かが言った。
 
確かにその視線は彩人のほうへ向けられていた。
 
微かにノックのような音がして、ドアが開けられた。
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