白い鼓動灰色の微熱
冴子は饒舌に自分のことを話しながらここまでついてきて、ハルシオン入りの紅茶を飲んだ。
 
タイトなスカートの隙間から、足がこぼれている。
 
すらりとした、綺麗な足だ。
 
スポーツをしているのか、しっかりと筋肉がついて、締まった格好のよさだ。
 
ふっとそんな鑑賞をしている自分に気付いて、アイスピックを眺めた。
 
力強く、彩世の行動を支配していたモノが消えている。
 
変わりに、自分のしようとしていることに気付いた理性のせいで、心臓が小刻みに早く打ち始めた。
 
彩人が歌うのをやめたのだ。
 
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