白い鼓動灰色の微熱
「また、飲んでる」
 
彩人のものよりも一回り小さく整った手が、彩人からカップを奪って彩世に返した。

「ごめんなさいね」
 
可愛い子だった。
 
高校生くらいにしか見えないような童顔だ。

けれど、見るからに、彼女は彩人の彼女ですオーラを放っている。
 
彩人が高校生を彼女にするとは思えない。

どっちかっていうと、年上好みなのだ。
 
童顔だが彼女は二十代前半以上の年なのに違いない。
 
彼女が彩人から奪ったカップを、彩世は受け取った。
 
受け取るとき、彼女の手に触れた。
 
吸い付くような感触の肌。
 
きめの細かい白い肌は、体温を持ってないように冷たかった。

彩世の心臓はドクリと鳴った。
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