白い鼓動灰色の微熱
 DVDプレーヤーの上にじかに置いたテレビの傍へ言って、清香は覗き込んだ。

「私もこんなの欲しい」

「いくら捨て魔でも、それはあげないよ」

「ええっ、残念」

清香は口を尖らせた。
 
そういう仕草がいちいち可愛い子だ。

「どうしようかな。持って帰れるんならあげようかな」
 
言うと、清香はテレビをかつごうとした。

「うーん」

そして、脱力して床にへばった。

「持ち上げるのは出来るかもだけど、とても運んで帰れないな」

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