白い鼓動灰色の微熱
 清香がいない。

 それから彩世も。

 二人とも目立つ存在なので、探すときには便利だった。

 けれど、今は悠長にそんなことを考えてる暇はなかった。

 急いでホールに戻ると、

「宮田、悪い。順番繰り下げてもらって」
 
 叫んでホールを抜けて走り出した。
 
ライブハウスのあるビルから出ると、でっかい男とぶつかった。

「悪い。あ」

 清水だった。
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