白い鼓動灰色の微熱
「やめろ!彩世!!」

 彩世は目を開けて顔を上げた。




 その顔には涙が行く筋も伝っていたが、彩世の美貌を奪ってはいなかった。

 その場面を見たものを、虜にしてしまいそうな図だった。

 綺麗な彩世が、泣きながら、清香を前にアイスピックを握り締めているのだ。

 
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