白い鼓動灰色の微熱
理科室にあったねずみのホルマリン漬けは、何となく貧相で、本物らしさがなかった。

そんな目にあわせるのは忍びない。

せっかく体から開放されて自由を得たというのに、再びガラスに閉ざされた不自由な世界に押し込められるのではかわいそうだ。

やはり冷蔵庫を購入するべきか。

ここに入るだけの大きな冷蔵庫。

その中に、綺麗な彼女達を救ってきて保管するのだ。

考えただけで、彩世の心臓は苦しいくらいに高鳴った。

次は、咲だ。

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