白い鼓動灰色の微熱
この間手入れをしてもらった手を、うっとりと眺めると、咲は入念に顔に化粧を施した。

ファンデを塗って、二重シールで瞼にきっちりとした線を入れる。

コレが結構いいアイテムなのだ。

さらに目元を強調するために、丁寧にアイメイクをし、顔が出来ると着替えに入った。

黒のベビードール風のヒラフワワンピに同じ生地の長袖のボレロをまとう。

そしてコートを着込むと、茶髪のロングへアにくしを入れて、鏡をチェックした。

うん。

今日の咲は百点満点。

咲はいつもそう、鏡に向かって言うことにしていた。

そうすれば、気分がいい。

サイゴに鏡に笑いかけると、咲は部屋を出た。

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