白い鼓動灰色の微熱
「もう少し言えば、その男性は自分の見た目にコンプレックスを抱えている。

もっとはっきり言えば、不細工な男だってことになりますね。

そうじゃなくても、はげているかもしれないし、太っているかもしれない。

それを、コンプレックスにしてしまっているタイプです」

今言った、全部が当てはまる大塚刑事は、露骨に嫌な顔をして清水を見た。

「俺だっていいたいのか?」

「まさか」

『ただ、偶然当てはまっているだけだ』

清水は心の中でつぶやいた。
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