白い鼓動灰色の微熱
玄関を上がって右手の部屋に、咲を通した。
二十畳ほどの、リビングである。
そこにも、カウンターキッチンのカウンターに、ショットバーのような背の高い椅子が、二個置かれているだけだった。
あとは大きな画面のテレビが床にじかに置かれたDVDデッキの上に乗せられてあるだけである。
徹底して、邪魔なものがない。
「ご両親と住んでいるの?」
咲は二つしかない椅子をいぶかりながら見て、言った。
「いいや。両親はいない。ここにはオレ一人ですんでいる」
言って、咲の視線が椅子に注がれているのに気付いて、
「兄貴がたまに来るからね。椅子は一つじゃ足りない」
咲はほっとしたような顔をした。
二十畳ほどの、リビングである。
そこにも、カウンターキッチンのカウンターに、ショットバーのような背の高い椅子が、二個置かれているだけだった。
あとは大きな画面のテレビが床にじかに置かれたDVDデッキの上に乗せられてあるだけである。
徹底して、邪魔なものがない。
「ご両親と住んでいるの?」
咲は二つしかない椅子をいぶかりながら見て、言った。
「いいや。両親はいない。ここにはオレ一人ですんでいる」
言って、咲の視線が椅子に注がれているのに気付いて、
「兄貴がたまに来るからね。椅子は一つじゃ足りない」
咲はほっとしたような顔をした。