白い鼓動灰色の微熱
彩世はそれを再生すると、ペタリと床に座った咲の横に座った。
 
そのまま、咲の頭を自分の肩に抱き寄せる。
 
咲は素直にされるままに彩世の肩に頭を乗せた。

咲の、弾んでいる鼓動が伝わってくる。

彩世の頭の中には、マニキュアの色が巡っていた。

ピンク系がいいと思っていたのに、迷ってしまっている。

シックな暗い色も似合うかも知れない。

彩世は咲の手に触れた。

その指に、自分の指をからませる。

冷たい手。
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