白い鼓動灰色の微熱
彩世は自分の息が上がっていることに気付いた。

咲の手を自由にし、自分のモノに出来る瞬間が近づいていることで、嬉しさを抑えきれずに心臓がバクバクうっている上に、力仕事をしたのだ。

心臓を酷使したのに違いなかった。

彩世は満足げに咲の体を眺めおろすと、自分の服を脱ぎ、外に放り出して、ユニットバスのドアを閉めた。

トランクス一枚に、皮の手袋をはめている姿が鏡に映ったので、彩世はちょっとその滑稽さに笑ってしまった。

その笑みを引きずったまま、咲に向かう。

ぐっすりと寝込んでいるのを確認すると、咲の体をひっくり返した。

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