白い鼓動灰色の微熱
失敗したら、さすがに目を覚ませて大騒ぎをされるだろう。

そんなことにだけはなりたくなかった。

彩世は目測した場所に、思い切りアイスピックを突き刺した。

咲の体が、生気を取り戻して、しなった。

彩世はビクリとしたが、咲はそのまま動かなくなった。

ホッと白い吐息を吐く。

そこが寒いことに、今やっと気付いた。

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