白い鼓動灰色の微熱
ナンだって!?
 
自分に聞いた。
 
キヨカの白く冷たい手が、欲しいんじゃないのか。
 
キヨカにはその声は届かなかったらしく、彼女は首をかしげていた。
 
長い真っ直ぐな髪が頬までの顔の輪郭を縁取る。
 
天然の淡い色素の柔らかそうな髪。
 
白く決めの細やかな肌。
 
大きな目に、小さめの他のパーツで出来た人形のように可愛く整った顔。
 
その顔は表情を変えるたびに彩世の心を掴んでいった。
 
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