白い鼓動灰色の微熱
自分でそれに驚いて、思わず歌っている彩人を見た。
 
目を閉じて、しっとりとした曲を、張りのある完璧な音程で歌い上げていた彩人が、チラリと目を開けて、同じ瞬間に、彩世を見た。
 
ヤメロ。
 
その目は言うと、再び目を閉じた。
 
しっかりバレている。
 
ここまで繋がっているとは。
 
彩世は苦笑した。
 
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