君が嫌いな君が好き
【智side】


大本が背中押してくれて。

オレは今、稚葉弥のもとへ走ってる。

稚葉弥が龍也を好きなことは知ってるよ。

だから―――――・・・



気持ちだけ、伝えるんだ。



“稚葉弥が好きだ。大好きだ”って気持ち。



伝えるだけでいいんだ。




「稚葉弥・・・っっ!!」




「・・・智・・・?」



「稚葉弥・・・オレ・・・」




伝えるときが来たんだ






「オレ・・・っ!
やっぱ稚葉弥が好きだ!
稚葉弥は龍也が好きだってことはわかる・・・
だから・・・それだけ!
知っててくれればいいからさ!」





そうだよ

稚葉弥はオレのことなんか好きじゃねぇ

いいんだよ・・・これで

くそ

なんで

納得いかねぇんだ――――・・・
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