君が嫌いな君が好き
気づいてた
「稚葉弥・・・話あんだけど」

突然龍也はそう言った。

「何ー?」

軽くこう言ってしまったあたしが馬鹿だったんだ。



学校の屋上で2人きり。


「稚葉弥はさ・・・優しくて可愛くて、最高な女だよな」


突然そう言いだした龍也。


「・・・え?
こんなわがままなあたしのどこが?」


何よ龍也ってば。

この性格のせいでどれだけ嫌われてきたか・・・。


「オレ・・・さ。
稚葉弥に出会えてほんとよかったって思うよ」


この瞬間。

龍也が一瞬だけ悲しい目をしたのを

あたしは見逃さなかった―――・・・



「・・・龍也、何かあったの?
相談なら聞くよ? ね?」



あたしがこう聞いた直後。


龍也の目は、すごく真剣になった。
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