colourless
selfish



釘宮潤。高校一年の春。入学式を終え新たな一歩を踏み出す時が来た。
1-Aの教室は他のクラスとは違う。

選ばれた者だけがなるクラスだ。




「何かさ。皆すげぇオーラだよな」

「あぁ…。何か俺等みたいなのがいていいのか」



親友のシュウはため息をこぼした。

名門私立氷嘉学園はここらで一番の学校と呼ばれている。
でも、それは金持ちばかりだったり頭が良いばかりだったりするのとは違う。
Aクラスのおかげだった。

対して入試は難しくない。私立の割には料金も馬鹿みたいに高くはない。
誰でも入れる。馬鹿だろうが不良だろうが。
だから基本不良が沢山いる学校でもある。

その中のAクラスというのは、三年まで基本的にクラス替えはない。
Aクラスに入れるのは頭がずば抜けていいだとか、相当な金持ちだとか何かのスポーツや部活で好成績を残し注目されている者だけが入れる。
つまり、Bクラス以降とは違う「別格」。


その中に入れた俺とシュウは金持ち。
両方とも大手企業の会社社長が親父の俺と、大病院の息子のシュウ。
シュウに至っては頭の良さも入れられているに違いない。なんせ中学の時は万年1位だったから。


俺は金持ちなだけだから、周りと少し雰囲気が違うような気がしてならない。
雑誌の部活特集に載ってた奴もいればモデルをやっている美女もいる。
俺もため息をつくと、チャイムが鳴り皆席に着いた。




「皆さん!こんにちは」




そしてほぼ同時にやってきた担任。
中々の美人。スタイルなんてモデル以上じゃないのか。




「このクラスの担任を持つことになりました。中村亜美です。よろしくね」




可愛らしい笑顔を向けられ頬を赤らめる男子もいた。
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