7㌢のキズ

始業式の日。

髪の毛を三つ編みにしてもらい、自分の中で一番可愛いと思うワンピースを着て
学校に行った。

学校の校門近くに行った所であたしは足を止めた。

たくさんの大人にたくさんの小学生。
田舎で人口が少ないところに住んでたあたしにとって600人(+子供の両親)は
多すぎた。


「え!?お母さん!!人が…」

跳ねながら隣にいるお母さんの服の裾をひっぱるあたし。
お母さんは笑いながら

「お~!いっぱいいるわ。まあ都会行ったらもっと人はいるから。これは少ない方よ」

「そうなの!?」

「そりゃそうよ!」

「へ…へぇ………」

相変わらずお母さんの服の裾を掴んだまま、あたしは転校してきた人が集まる教室へ。




この学校に転校してきた人は結構いて、学年はバラバラだったけどあたしと同じ3年生はあたし含めて4人。

(あたしだけじゃないんだ…)


お母さんは先に始業式が行われる体育館に行ってるから、あたしは一人ぽつんと誰とも喋らず始業式が始まるのを待ってた。


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