7㌢のキズ

「…どうしよう。皆と会えなくなっちゃう…」

朝、家を出る前とはまったく違うテンション。
人前では絶対泣かないって決めてたあたしも、この時ばかりは学校で泣きそうだった。

「大丈夫だよ!遠いけど遊ぼうと思ったらいつでも遊べるし、文通とかもできるし!」

そう笑顔で言ってくれる沙織ちゃん。

「毎日会えなくても、休日とか会えると思うし!それに新しいところいったら
新しい友達もたくさん出きるよ。羨ましいな~!」

なんて笑いながら暗いあたしを励ましてくれる沙織ちゃんの言葉を聞いてたら
なんでかわかんないけど不安が一気に飛んだ。



"いつでも会える"

皆と会えなくなるってことに落ち込んでたあたしは、きっとこの言葉で
"大丈夫"って思えたんだろうな。


「引っ越すのって何ヵ月後?」

「えっと…3ヵ月後…かな?」

「じゃあその間、たくさん遊ぼうね!私はお泊り会とかしたいな」

「あ、あたしもやりたい!」


毎日会えなくなるまで、後3ヶ月。

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