甘いKissをあなたに
私たちは教室を出ると、無言で廊下を歩いた。
前に光が歩きその後ろに私が歩く。
保健室には先生がいなかった。
ドアを閉めると、光はくるっと振り返り私の顔を覗きこんだ。
「お前、大丈夫かぁ?薬、出してやるから横になっとけ」
え……
「なんで…体調が悪いのわかったの?」
なんで?
「なんでって…そんなの見てればわかるだろ?
え〜とっ薬は…」
どうして?
誰も気づいてくれなかったのにどうしてあなただけは気づいてくれるの?
.