ソラと私と記憶の欠片*


ガタン
るか意外誰も居ない、

否 誰も、居ないはずの教室で物音がした。



胸を抑えながら、恐る恐る振り向き 問いかける。

「だ、れ?」


後ろには誰も居ない、でも確かにソレは存在してる、その質問が、まるで聞こえなかったかの様にソレは話し出た。

「私は、消えない。」


○●○●○●○

もう、時間切れみたい

ふわっとやさしい風が辺りを包み込む。


ごめんね、ソラ_____。



一瞬 ルナンの顔が見えた気がした。あのかなしそうな何か諦めたような顔で、笑っていたルナンが


___ソラは、私のコト、選んでくれないんだね...。



今まで無視し続けていた疑問が重なりあい、一つの答えにたどり着いた。

「まさか...るかが、?」口にすればするほど、不安は胸を押し潰してゆく。

進行方向を、自宅から学校に変え 地面を蹴った。


真っ黒な髪、でもただ黒いわけではない。漆の様に凜としたしなやかな美しさを持っている。
彼女のソレとは、違う獣の耳を ぴん と立て、夜の闇に身を溶かした。



< 16 / 123 >

この作品をシェア

pagetop