ソラと私と記憶の欠片*
ガタン
るか意外誰も居ない、
否 誰も、居ないはずの教室で物音がした。
胸を抑えながら、恐る恐る振り向き 問いかける。
「だ、れ?」
後ろには誰も居ない、でも確かにソレは存在してる、その質問が、まるで聞こえなかったかの様にソレは話し出た。
「私は、消えない。」
○●○●○●○
もう、時間切れみたい
ふわっとやさしい風が辺りを包み込む。
ごめんね、ソラ_____。
一瞬 ルナンの顔が見えた気がした。あのかなしそうな何か諦めたような顔で、笑っていたルナンが
___ソラは、私のコト、選んでくれないんだね...。
今まで無視し続けていた疑問が重なりあい、一つの答えにたどり着いた。
「まさか...るかが、?」口にすればするほど、不安は胸を押し潰してゆく。
進行方向を、自宅から学校に変え 地面を蹴った。
真っ黒な髪、でもただ黒いわけではない。漆の様に凜としたしなやかな美しさを持っている。
彼女のソレとは、違う獣の耳を ぴん と立て、夜の闇に身を溶かした。