ソラと私と記憶の欠片*


ソラの大きな両手が、ルナンの顔をしっかりと捕まえると、愛しむように そっと触れた。

それから、逃げられないよう顎を掴み 上へ向かせる。


「あなたこそ...あたしを見つけたコト、後悔しても知らないわよ」


うすく笑って、昔の 今となっては懐かしい呼び方。
冗談混じりに答えた。



「姫君の御忠告、しかと聞き届けました。....肝に命じとくさ」


妖しくも、美しい艶やかな月の光が交差している。


静寂が舞い降りる...

2人の残酷な運命の開幕を、止めてゆく____

たとえ それが一時だとしても。




そっと 口付けをする。
脆くて、儚いモノを壊さぬよう。
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