ソラと私と記憶の欠片*
無理やり小指を絡めさせた。
男には、やらなきゃならない時がある。まぁ、ソレだけは譲れねぇからな 勘弁しろよ、ルナン。
「それより、お前こそ幸せになれよ?」
ポン と頭を叩いてやった。
「っあ!ソラ...早く逃げて」
目線の先には、王女の側近の男。
別に俺はよかったけど、ルナンに危害が及んだら困る。ココは素直に逃げるべきだろう。
「ソラァ...、生きて生きて。生き延びて」
もう 腕の中に愛しい女は居ない。
「あたしの為にも、幸せになりなさいよぉおッ!!」
走り出した俺を見て、男も走り出す。始めから逃げきる気もなく、程よくルナンから離れた処で捕まってやった。