ソラと私と記憶の欠片*

ぽつり、と

「世界の全てを見てる気がするから」

足を止め 彼女は言った。
「...何言ってんだよ。お前は世界の全てで、世界を見透かす瞳を持ってるだろ」

くりっとした、大きい空色の瞳。ソレは 空そのモノ。

「コノ世界は、あとどれくらい持つのかしらね」

コノ世界は、荒れに荒れている。 空気は汚れ、人間どもは腐りきってやがる。
また俺は、ルナンを失うのか?

「こんな世界、ぶち壊したい」

目を細め、失笑した。

「クス、そんなコトしたら あたし死んじゃうよ。」

ソラも髪をかき上げ、自分の失舌に笑った。
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