ソラと私と記憶の欠片*
「ね、可愛い?かわぃい?」
さっきまでの 出来事など、無かったかの様に
ぱっと笑ながら言った。
小首を傾げるたび、サラッと揺れ動く髪。
何事も、無かったかの様に"アノ時"のまま、ココに存在し続ける ルナンを見て「もう、巡らずに済むのか...?」と言った。
ゴウウウゥ
ちょうどその時、風が吹いた。
「____何か言った?」
ルナンが こちらをじっと見つめてきた。
それは、自分への問いかけであり 願望でもある。
「 可愛い 。」
今はただ素直に、思ったコトを口に出しただけだ。
決して嘘なんかじゃない。
その言葉を耳にすると、
猫は、満足そうに微笑みを見せてくれた。