ソラと私と記憶の欠片*
○●○●○
傷口を押さえながら、もう片方の腕を使い アイリは這いつくばっりながら、前へ進んだ。
ズリ ズ リ...
部屋中真っ赤に染め上げ、鉄錆の匂いを充満させながら。
近くの椅子を、やっとのコトで掴むと 腕に力を込めた。
「ぅ...ぐ、っ」
生暖かいドロっとした液体が、傷口から溢れるのを感じながら、やっと立ち上がるコトが出来た。
向かう場所は...そう決まってる。
「リュナちゃん、」
アイリにだって、役目があるちゃんと...
コノ世界を、――――と――――以外の存在に左右されないように。どちらかのバランスが崩れないように、調和を保つ役目。