【短編】あたしとふたご

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NOZOMU side


「ん……あれ?」


目を覚ましてボーっとしながら俺はキョロキョロと辺りを見渡した。


あれ?
俺……りっちゃんちでご飯食べて。
そんでそんで……。
ゲームしてた、よね?
でもここって……俺の部屋だよね?
俺、帰ってきた記憶がないんだけど。


ボーっとしながら必死で頭を巡らせながら、ベッドから起き上がった。


……のど渇いた。


ゆっくりと立ち上がって部屋を出ると、俺はキッチンの方へ足を進めた。
すると俺はリビングの扉から電気が漏れているのに気付いた。


……あれ?
聖……帰ってきたのかな。


俺は深く考えずにリビングに足を向けた。


声が聞こえる……。
りっちゃん?


小さいけど確かに聞こえてくるのはりっちゃんと聖の声だった。


何……話してるんだろう。


はっきりは聞こえてなんかこないけど。
何となく……嫌な予感がした。


そっと開いている扉の隙間から中を覗くと、俺は目を見開いた。
目の前に映ったのは、聖にりっちゃんが抱きついている光景だった。


何で?
もしかして……2人は。
両思いだったの?
俺……。


「のん君!」


目の前の光景にショックを受けて俺は動揺した。
考えていると、俺の名前をりっちゃんが呼んだ。
それに反応すると、2人が俺を見ている。


……あ。
バレちゃった。


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