【短編】あたしとふたご

●3●



次の日の放課後。
あたしはのん君と一緒にご飯を食べる事になって、


「うん。食べて帰るから……じゃぁね」


あたしは家にかけた電話を切った。
そして隣を歩いているのん君を見上げた。


「“えー。のんちゃんだけでも帰って来れないのぉ!?”だって。お母さんが」


「あはは。りっちゃんママ面白いよね」


うーん……。
自分の娘より幼馴染ののん君が帰ってこない方が残念がるお母さんってどうなの?


あたしは少し複雑な心境で考え込んだ。
すると眉間に皺を寄せているあたしの顔をのん君が覗き込んできた。


「ん?」


あ……そういえば。


あたしはのん君を見つめる。
するとのん君はキョトンとして首を傾げた。


「よかったの?帰んなくて。別にあたしに付き合ってくれなくてもよかったのに」


するとのん君は優しく微笑んだ。


「いいのいいの!」


そう言ってのん君は首を横に振った。
それを見てあたしはフッと笑った。


……のん君は優しいな。
昔からそうだったよね。
あたしが1人になる時はいつもついて来てくれてた。


思わず思い出し笑いをしていると、のん君はまたあたしの顔を覗き込んできた。


「そういえば。どこ行くの?」


どこって……。


「いらっしゃいませ。ってあ。望と莉子」


あたしとのん君を見つけたひぃ君。
っそ。
ひぃ君のバイトしてる姿見ようと思って♪


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