【短編】あたしとふたご
そう言って携帯を差し出してきた。
携帯の画面に映っているのは、おいしそうなオムライス。
おいしそう……。
きっと2人で仲良く食べたんだよね。
「あ、俺もっ見たい!」
そう言ってのん君があたしと井口さんの間に入ってくれた。
すると井口さんはのん君に笑顔で頷く。
「うん。いいよー」
微笑みながらのん君に携帯を差し出した時だった。
少し鈍いのん君の手を携帯がすり抜けて下へ落ちてしまった。
……あ。
「あ、やべ。ごめ……」
慌ててのん君が拾おうとした瞬間。
「ごめん!!」
ひぃ君が拾って井口さんに携帯を返した。
……ひぃ君?
ひぃ君……。
まだやっぱり、のん君の手の事気にしてるんだ。