【短編】あたしとふたご
○○○○○○○○
NOZOMU side
ホームルーム。
出席を取っていると、俺はりっちゃんがいない事に気付いた。
メールしようか……。
あ、でも昨日の事あったし……。
うーん。
「聖」
「ん?」
悩んだ挙句。
俺は聖のクラスへと向かった。
「望、どうしたの?」
「聖……もしかしてりっちゃんに会った?」
全部聞いた。
りっちゃんの告白を断った事も全部。
俺はすぐにりっちゃんの所に向かった。
体育館裏に行くと、りっちゃんの姿を見つけて、俺はゆっくり近づく。
「りっちゃん……」
○○○○○○○○
頭の上から声が降ってきた。
その声に顔を上げる。
「のん君……」
涙が溢れる。
止まらない。
するとあたしの顔を見たのん君は寂しそうに笑った。
その顔を見て、あたしはまた涙が込み上げてきて顔を伏せる。
「何があったか……聞かないの?」
それを聞きたくてここに来たんじゃないの?
するとのん君の気配があたしの隣に座った。
そして小さく声が聞こえてくる。
「ごめん……。聖から全部聞いた」
う……。