【短編 幸福論】
再びリビングに戻ると、自分の席には食パンと目玉焼きが用意されていた。

母親がキッチンからコーヒーを持ってきた。

「徹也、今日学校で進路相談があるでしょ?先生の話しをちゃんと聞くのよ。」

15歳。

中学3年生。

将来に向けての進路を真面目に考えないといけない時期。

私は何も考えていなかった。

この、何も変わらない日常に夢も希望も持てるわけもなく。
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