【短編 幸福論】
「徹也くんは進路考えてる?どこの高校を受験するの?」

涼子は徹也の肩に身を委ねながら質問した。

秋晴れの今日、夏の暑さが完全に消え、涼しい風が心地よく流れた。

見上げた空には小さい雲が気持ち良さそうに右から左へ。

「なんか楽しいことないかな?」

涼子の問いに、まったく関係のないことを徹也は口にした。

涼子はポカンと口を開け、呆気に取られた顔をした。

「徹也くんって不思議ね。なにを考えているかわからないわ。」

静かに笑いながら涼子は徹也にキスをした。
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