君だけを


「圭ー!待ってよう、おいてかないで」


「寝坊するお前が悪いんだろ」


「そんなこと言って…ゆっくり歩いてくれてたくせに」


「あーもう、お前うるさいよ」



そう言って、僕は佳奈の手を握った。


照れた顔を見られないように、佳奈を引きずるようにして歩く。


佳奈もそんな僕に反論することなくいつものように握り返してくれて。



僕たちは学校へと急いだ。


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