君だけを

「なぁ?お前ら付き合ってんの?」


「はあ!?」



クラスで仲の良い雅紀に訊かれた。

この質問、今回で何回目だろう?


「付き合ってねぇって、何回も言ってるだろ」


毎回同じ言葉を返す。

そしたらいつも相手は『あっそ』とか『ほんとにー?』とか言うんだ。


でも今回は少し違った。



「好きじゃねぇの?」


「べつに…」


「べつに…ねぇ?」


雅紀はニヤニヤした顔で見てくる。

やばい。ばれたか。




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