君だけを

「佳奈、俺になにか話すことないか?」



僕の部屋でくつろいでいる佳奈に問いかけた。


今日、告白されたこと、言ってくれるだろうか?




「ん?ないよー」



言ってくれなかった。


結構ショックを受けた。


しかも、逆に訊きかえされるし。



「圭は?今日、なんかあった?」



今日?何もなかったよな。



「とくになにも」



そう、とくになにもなかったと思ったんだ。


いつもと同じだったから。

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