Anniversary.

優しい指先。

電車に乗って、今日は駅ビルにやってきた。


「どうする? そろそろ昼の時間になるし…… 何か食うか?」


「うーん、お腹減ったから食べる」


「じゃあ、行くか。 エレベーターで」


やっぱりエレベーターだよね!
窓があって、遠くまで見えるもん。



「ねえー」


「なんだよ……」


「人…… 多くない?」


日曜だから、人が多いのがしょうがないと思うけど。 …… それでも、なんだか多い。

いくら休みだからって、前に進むのに、人を別けて進むくらい混む?

今って何かやっているの?



「まお、お前知らないのか?」


少し驚いたように、いっくんが振り向いた。


あたし、なんでこんなに混んでいるかなんて知らないよ?


“イベント”でもやっているの?



「新しく店がオープンしたことを知らないのか?」






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