Anniversary.
天ぷらよりオムライスは安いからね。 だから、OKなのか。


「ちょっと待つみたいだね。 いっくんはいい?」


「俺はいいぞ」


20分待ちくらいかな?
表に名前を書いて、イスに座った。


その間も、いっくんとはずーーーっと手を繋いでいる。


ブラブラと揺らしても…… いっくんは何も言わない。

キュッと強く握れば…… キュッと、握り返してくれる。


なんだかそれが嬉しくて。


キュッ キュッ!

――― キュッ キュッ!


何回もやっちゃう。



「さっきから何をやっているんだよ」


呆れたような顔をして、あたしを見下ろす。


だってさ…… 楽しいし、嬉しくて…… つい。



「なんでもなーい」


「俺で遊ぶなよっ」


“遊ぶな” とか言いながらも、強く手を握ってくれた。


ほらほらっ!
やっぱり何かが変だ。


何か変な物でも食べた?






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