Anniversary.
許可を得て触った時もあれば、無断の時もあったな。


「はぁーあ、どうしてまおは“こんなにも”前田くんに気持ちを許しているんだろう」


ボーッと新幹線から流れる景色を見ていたら、突然の肩への重み。


想像はついたが、重みがする方を向くと。

やっぱり、だ。


まおが眠って、倒れてきた。



「こうやって、眠っているといつもより“幼く”見える」


まじまじと眺めた愛川が呟いた。


さっきまで“赤ちゃんみたーい”とか言っていたくせに。 …… と、思ったが心に閉まっておこう。


駅に着くまで数時間。

よく考えたら俺って…… ずっと動けないのか?



「はぁー」


隣のコイツは、眠っていてまで俺に迷惑かけるやつ。


あらためて、そう感じてしまう。

そう言うのが可愛いと言えば、可愛いのだが。 …… トイレくらい、行きてーよっ。





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