Anniversary.
ちょ、勝手に何しているの!

信じられない……。



「ほら、行くぞ」


引っ張られるようにして、立ち上がった。


どうしてこうも強引なんだろうか……。


あたしの手を包み込むようにして、握りしめてくれる。

ハジメと手を握っている…… こんな事を考えるだけで、胸が鳴る。



「じゃあ、蒼衣 夏帆。 俺ら帰るわ」


「おう、じゃあな。 また4月にな」


ハジメと蒼衣先輩は同じ大学。


ねえ、ハジメ? ハジメはさっき元カノと会ったんだよ?

ハジメの気持ちは揺れなかった?


あたしの手を握りしめたまま、学校の廊下をハジメと歩く。

こうやって、ハジメと手を繋いで学校で歩いてみたかったな。



「リカ? お前、さっきから何を考えている」


「えっ……」


1歩先を歩くハジメを見上げる。





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