君の名は灰かぶり
〜SAKUYA side〜鏡花水月
───…ボクは、誰だ?
此処は、どこ?
目の前で倒れている人は、誰?
どうしてボクは、
血に濡れているの──…?
天使の輪が光る黒髪が
腰まで伸びたまだ十代であろう少女は、
何処にでもある一般的な2LDKマンションの室内でぼぅっと突っ立っていた。
その理由は少女にも分からなかった。
しかし、その手に握られていたのは
赤黒い血が未だに滴っている
デザートナイフだった───…