君の名は灰かぶり
白いワンピースを汚した少女は、
ふと目の前に倒れている
血の付いた銀髪の美しい男を見つめた。
男は、白いカッターシャツと黒いズボンを赤黒い血で染めている。
少女は、どうやら
その男の事をよく知っているようだった。
何故だかは
思い出すことができないのだが、
その男には見覚えがあったのだ。
次に少女は、横にある白い質素な
テーブルの上に置かれた
フルーツバスケットの中の
紅い林檎に目をやった。
その紅い林檎にも見覚えがあったのだ。