見事に、振られました。
 ぶーぶー文句言いながら、コタツから上半身を出し、湯呑みを両手で包む。

 温かい。

 ほっこりする。

 一口飲んだら、体の中からぽかぽかした。

 でもすぐに喉元から冷えていった。

 それが嫌でもう一口もう一口……空っぽだった。

 物欲しそうに視線を投げたら、よこせと左手を出された。

 すぐにまたお茶が注がれて、渡してくれた。

 緑色が揺れていた。

「私、うざったい?」

「……ガキだとは思う」

「失礼だな」

「うざったいと思ってないだけ、そいつよりはマシだろ」

「……私、ガキじゃないもん」

「“もん”をつけてる以上ガキだよ」


 人の揚げ足取りやがって。
< 3 / 12 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop