リアルな秘めゴト
ドキドキ…と鼓動が響く中、希美はそっとスターズを閉じた。
「希美…今回の河原ルカ、どうだった?」
評価が気になりすぎて、あたしは気が付けばそんな言葉を発している。咄嗟に出た、究極の言葉。
希美はあたしにスターズを手渡しながら、口を開いた。
「なんだかなー…期待して損したかも」
「え?」
希美の言葉は、トゲとなって、あたしの胸に突き刺さってくる。
「河原ルカの作品って、リアルな恋愛模様が描かれていて凄く好きだったのに、今は何かが違う。
―――なんだか、偽善の塊でしかない気がするんだよね」
「偽善の、塊?」
声が、震える。
一番近くにいる読者が、容赦なくダメ出しをしている姿を目の当たりにして、あたしの心は最早ズタズタになっていた。
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