リアルな秘めゴト
瞬間、目が最大限に見開かれる。
この淡白で、冷血で、掴みどころの無い声は、まさか―――
「ルカ先生はイケナイ子ですねぇ?自分の作品が気に入らないからって、スターズを破り捨てようとするなんて」
「…いつから、見てたんですか」
「たまたまですよ。違う担当作家の所に向かう途中でして。決して必然ではありませんから」
その言葉が、今のあたしには信じられなかった。
朝倉さんはOKを出してくれた。だからあたしは、自信を持って今日のこの日を迎えたのに。
まさか、こんな惨めな気持ちになるなんて…
「朝倉さん、実は予想していたんじゃないんですか?」
「…何をですか?」
「しらばっくれないで下さい。あたしのあの読み切りが、たくさんの人に納得して貰えない事、ですよ」
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