リアルな秘めゴト
結局はあたしの実力不足なだけなのに、朝倉さんに当たってしまうあたしは、なんて最低なんだろう。
だけど、こうでもしないと、今にも崩れてしまいそうで…。
「…そんな事くらい、予想済みでしたけど、何か?」
「―――ッ…!?」
「でもよかったじゃないですか。その様子じゃ、リアルな読者の生の声が聞けたみたいですし」
この人、やっぱりこうなる事を、予想してた―――?
涼しげに語る朝倉さんを凝視する事が出来なくなって、遂に俯いてしまったあたしは、何も言葉を発する事が出来なかった。
何だか、裏切られた気持ちでいっぱい。でも、朝倉さんが担当作家を売りに出すような行動を取った理由が、分からない。
何を考えているの、朝倉さん―――
「そういえばルカ先生。大事なお話があるんです」
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