リアルな秘めゴト
「リアルな恋愛模様というのが、あたしの作品の強みという事に、今日友達に気付かされて…」
それなのに、人気を得ようと無理なストーリーを詰め込んで、スランプに陥って、今に至って。
このままでは、マンガ家としての威厳だけでなく、全てを失ってしまいそうで怖い。
「ルカ先生」
朝倉さんが口を開いた事で、あたしの心臓は激しく動き始める。
そして次の瞬間、フッと笑みを見せた。
「やっと、本来のルカ先生に戻ってくれましたね?」
「朝倉さん…」
「では計画通り、ルカ先生の大型連載を進めていきましょう。…俺は、今の生き生きしたルカ先生が、好きですから」
朝倉さん、その言葉、真に受けてもいいですか?
あたしたった今、「色々な事」に気付いちゃいましたもん。
新連載から本来の河原ルカの強みである、“リアル”な恋愛モノに、してみせますから。
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