リアルな秘めゴト
あたし・河原ルカの強み。
それはリアルな恋を世間に届けられる、という事。
偽りなんかではダメ。
その為には、あたし自身が体験した、そんな恋を描かないと。
あたしにしか描けない、そんなマンガを描いていくのが、これからの夢なんだ。
「朝倉さん、今月の“リアルな秘めゴト”どうでした?」
「どうでしたって聞かれても…俺達の恋愛が筒抜けですよね、毎月」
「それはしょうがないですって!“マンガ家と担当者”のリアルなラブを連載している訳ですから」
打ち合わせの為にあたしの家に来た朝倉さんは、少し照れくさそうに頭を掻いている。
“彼氏”となってからは、少しずつ意外な一面も見せてくれるようになって、あたし的には凄く嬉しい。
「ルカ先生?」
「はい?」
「そろそろ俺の事、名字じゃなくて、名前で呼んでくれませんか?」
「え…?」
「リアルな秘めゴト」
≪完結≫