リアルな秘めゴト



担当の朝倉さんに、厳しい批評を入れられる毎日。


思い通りの作品を描く事が出来ないもどかしさ。



マンガ家・河原ルカにとって、致命的な悩みを抱えている事は、誰の目から見ても一目瞭然の事実だった。




「朝倉さん…」



「何ですか?」



「最近のあたしの作品のクオリティーが下がってきている事は、自分自身でもよく分かっています」




悔しさから、涙がうっすらと滲む中、あたしはゆっくりと朝倉さんに問いかける。




「だから…教えて下さい」



「…何を?」



「あたしの作品のダメな所全部ですっ!お願いします…!!」




必死の思いで縋り付くあたしを、朝倉さんは冷たい視線で一瞥した。




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