リアルな秘めゴト
途端に、あたし達の間を取り巻く雰囲気が豹変した。
あたしの家の、あたしの部屋の、仕事用の机の前に、二人で並んで座っているだけなのに。
いつもの打ち合わせと何も変わった事なんか、全く無いはずなのに。
「えぇっと…朝倉、さん?」
「ルカ先生の最近の作品は、王道ラブストーリーばかりで、全くリアリティが無いんですよね」
「それ、は…」
「だから今日から頑張りましょうか。“リアリティ”のある作品作りを」
―――何かが、起こる。
そう確信した瞬間、朝倉さんの顔があたしの顔に急接近し…
「もっと過激なストーリー、俺と実戦してみます?」
吐息交じりの色気のある声で、耳元で囁かれた。
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